しかし、Aさんの年収は400万円で、それに対する所得税は、このケースでは最高でも年間5万7000円にしかなりません。控除されるのは所得税の金額が限度。つまり控除限度額を使い切れるほど税金がかかっていないのです。その結果、控除を受ける前の所得税額が控除限度額を常に下回っているので、Aさんはいつ入居しても控除される金額が変わりません。
04年に入居した場合は、初年度の控除限度額が50万円で、次第に減っていきます。Aさんが納付する所得税額は、1年めはわずか4万4800円。少しずつ納付税額が増えていき、10年間のトータルでは約144万円です。控除を受けなかった場合に比べて、約445万円のトクとなりますね。
入居する年が遅れるにしたがって、同じ5000万円を借りていても控除の枠が縮小するため、所得税の支払い金額は逆に増えていきます。08年の納付税額は446万円で、控除を受けない場合より約143万円少ない程度です。04年に入居した場合より300万円も控除額が減ってしまうことになります。
さらに、共有名義の持ち分登記の仕方によっては、思わぬ失敗をすることもあります。図4のように、土地と建物をそれぞれ共有名義で登記すれば問題ありません。ところが、土地は夫、建物は妻、というように別々に登記してしまうと、建物を登記した妻しか住宅ローン控除はうけられなくなってしまうのです。